安売りは簡単だが愚策である - 金平先生の日記　会計士の独立編

税務業務に限らず、物販、サービス等の販売等において、価格は重要な要素であることは明らかなことです。

税務も、以前に比べると、安くなっている傾向があるという話は耳にすることがありますが、相場に比べて安売りすれば、使ってくれる可能性が高まるのも事実なのではないかと思います。

私も、税理士事務所の変更依頼、見積もりがきたときには、現在の事務所の報酬を聞くことがありますが、私の事務所の報酬に比べると相当安い場合があって、驚かされることがあります。

ちなみに、私自身は、私の事務所の報酬は、高い方ではないと自分では思っているのですが。

これも会計士であれば、容易に想像できると思いますが、強みのない安売りは、結果的に、各関係者を不幸にする可能性が極めて高いです。

先ほどのように、事務所の変更依頼等がある場合には、今の事務所の報酬以外にも、変更理由を確認しますが、多くの場合には、何らかの不満があって、中には、報酬が低いが故に対応が悪くなっているケースもあります。

安売りして、事務所として必要経費を払った上で、利益を確保するには、数をこなすしかありません。

スタッフも担当数が増えれば、関与先に対する対応時間は短くなるのは当然です。

十分な報酬を払っておきながら対応が悪いのは、事務所側に多くの責任がありますが、不十分な報酬で対応に不満をいうのは、依頼人にも責任があるのではないかということを問うと、その通りですね、と言ってくださるケースもあります。

安売りで不幸になるのは、クライアントだけではなく、スタッフも同じであり、クライアント、スタッフの不満が高ければ、結果的に、経営者が不幸になる可能性を高めます。

安売りは簡単ですが、経営者としては、愚策だと思いますし、最終的に、自分を苦しめる可能性が高いです。

戦略性のない安売りは止めるべきですし、適正額で依頼を受けられるように、自分を磨くことが大事だと思います。