金平先生の日記 会計士の独立編

会計士、税理士の独立情報

独立すると決断の連続

 

 

 

 

勤務時代

 

皆さんも同様かとは思いますが、私も、監査法人時代、税理士事務所時代は、1人の下位のスタッフに過ぎず、最終的な決断、判断を行う立場にはないため、最終的な決断を行うことは、業務上はありませんでした。

 

唯一、勤務時代に、私が決断したことといえば、監査法人を退職すること、そして、独立すること、であって自分自身のことでした。

 

ただ、この決断は、私の場合、非常に悩みましたし、苦しい決断でした。

 

 

独立後

 

独立後は、独立当日から、本当に、決断の日々が続きます。

 

どのような決断があったのか、思い出してみたいと思います。

 

 

仕事道具の決定購入

 

既に、お持ちのものを事業用に転用してもいいですが、転用できるようなものではない場合には、独立をきっかけに購入しなければなりません。

 

勤務時代は、事務所が用意してくれるものを、事務所のマニュアルに従いセッティングを行い使うだけでしたが、独立後は、全て自分で選択し、決定、購入することになります。

 

他業種に比べると初期投資が少ない業種とはいえ、一度に、色々と揃えると、数十万以上の出費になります。

 

貯蓄が多い方、出費になれている方にとっては、数十万くらいの出費なんて大した影響を感じないのかもしれませんが、短期的な収入が見込めていなかった当時の私にとっては、精神的影響は大きかったです。

 

仕事道具として最低限必要なものとしては、パソコン、コピー機、ファックス、デスク、イス、棚、シュレッダーでしょうか。

 

他にも、インクやコピー用紙、文房具等、消耗品も、一度に購入するとそれなりの金額になりますし、立派な事務所を借りる場合には、応接セットや収納棚等、さらに大きな金額が必要になります。

 

私の場合、すべてよりよいものが欲しいと思う一方で、今後の活動資金、生活資金との調整、検討で、色々悩みながら決断しましたが、抑制しても、40万から50万くらいは使った気がします。

 

 

業務ソフトの決定

 

業務ソフトは、最低限必要なものとしては、会計ソフトと税務ソフトです。

 

他にも業務ソフトはありますが、会計ソフト、税務ソフトの選択は大事だと私は思います。

 

一度、使い始めたソフトを変更することは、非常に困難を伴いますし、業務効率にも大きな影響を与えます。

 

ある程度、クライアントの数が増えてきた段階で変更しようと思っても、クライアントにこちらからお願いした会計ソフトを利用してもらっている場合、使い慣れたという点と、買替コストという点での抵抗を受けるのは当然のことです。

 

会計ソフトのデータは、申告にために、税務ソフトへの連動が必要になりますが、スムーズに連動できないものを選ぶわけにはいきませんし、会計ソフトを変更すると、税務ソフトの変更も必要になる場合があります。

 

この税務ソフトの変更というのも難儀な面があります。

 

会計、税務のソフトも、操作性も、コストも、多種多様です。

 

慣れてしまえば、どのソフトでもある程度、効率的に仕事を行えるのかもしれませんが、使いにくいソフトを選択してしまえば、使いやすいソフトに比べ、効率化には限界があります。

 

会計ソフトを使ったことがない場合には、投資の一環として、2つくらいのソフトは購入して使ってみることが必要だと思います。

 

私は、独立前の事務所で使っていたソフトを結果的に選択しましたが、他のソフトも一応、検討はしました。

 

ちなみに、会計ソフトは、メジャーなものでは、一つ4万以上はすると思います。

 

税務ソフトについては、メーカーによって様々ですが、高額なものだと数十万というものもあります。

 

 

日々の行動計画

 

監査法人に勤務していると行動計画はわかりやすいです。

 

年間スケジュールが決まり始まってしまえば、その計画の通り、仕事を行うだけですので、一スタッフは、決められた現場で、与えられた仕事を行うだけです。

 

税理士事務所の場合は、様々かとは思いますが、転職直後で、あまり責任を与えてもらえていないような時期には、上司から振られた仕事を淡々とこなすことが多いと思うので、行動計画を決めることはあまりないと思います。

 

そんな勤め人だった人間が独立して経営者であり管理人になってしまえば、日々の行動計画を検討し、決めなければなりません。

 

独立直後で、クライアントがいない、少ない状態では、営業活動がメインの行動になりますが、どこにいくのか決めることになります。

 

クライアントが見つかった場合には、そのクライアントを業務を行いながら、同時に、営業活動も行う必要があり、どのように配分を行うのか、日々、調整、検討をして、決めなければなりません。

 

スタッフを雇用した場合には、彼らの行動計画も検討し決めなければなりません。

 

クライアントやスタッフが増えるのはいいことですが、数がふえれば増えるほど、間接的な仕事も発生します。

 

 

業務上の判断

 

税理士事務所なので、会計的、税務的な判断を求められる場合が生じます。

 

特に、税務判断は、色々なリスクを生じさせることがありますから、大事な決断です。

 

会計的な判断も、時にリスクを生じさせることがあります。

 

後から問題が顕在化した場合のストレスというのは大きなものです。

 

 

経営上の判断

 

独立すると経営者ですから経営上の判断も必要になります。

 

どのような戦略で経営を行っていくのか、どこに事務所を置くのか、事務所の規模をどうしていくのか、スタッフの給料はいくらか、スタッフの育成をどうするのか、あるクライアントからの依頼を受けるのか・切るのか、営業上の戦略的パートナーとの付き合い方をどうするのか、ネット戦略をどうするのか、その他…

 

 

 

まとめ

 

私の経験では、総合的に事務所が落ち着くまでというべきか、色々な決断について一通り経験するまでの数年間というのは、慣れない決断の連続に疲れることがあります。

 

特に、一番決断に慣れていない独立初年度は疲れます。

 

今後、ちゃんとうまくいくのだろうかという不安の中でも決断の連続は、無意識にストレスを感じていると思うので、気を付けましょう。