金平先生の日記 会計士の独立編

会計士、税理士の独立情報

税金費用関係も税務を理解していないとちゃんと監査できない

 

 

 

税金費用関係の監査とちゃんとできる人は少ない

 

私も監査法人時代は、税金費用関係の監査をちゃんとできていなかったかもしれませんが、今では、調書をみて、ヒアリングすれば、この人は、ちゃんと監査できているか、できていないかがよく分かります。

 

今は、非常勤で監査をしていませんが、していたころは、常勤の私よりも年次の若い会計士たちは、苦手意識もあってか、税理士をしている私に税金費用関係をふられる現場が多かったです。

 

私よりもキャリアが長い会計士の中には、税務に明るい会計士もいれば、そうではない会計士もいました。

 

非常勤という立場の私は、一スタッフという立場なので、当然、インチャージ以上の会計士からレビューを受けますが、分かっていない会計士からの質問、指摘は、酷かったです。

 

話がかみ合わないですからね。

 

 

質問 実効税率の趣旨と使い方を説明できますか?

 

税効果会計を中心に、実効税率は、実際に、会計、監査の実務においても利用されるため、監査上も、普通に利用するケースが多いですが、そもそも、実効税率の趣旨と使い方を、正しく説明できる人は、どのくらいいるのでしょうか。

 

実効税率の算式も、どうしてあのような算式になっているのか、それも理解していることは重要です。

 

 

税金費用関係の監査の基本はトレースと再計算しかない

 

監査の重要な手続きとして多用されているのは分析だと思いますが、私が思うに、税金費用関係の監査において、分析をしてもあまり意味がありません。

 

税金費用関連の分析といっても、増減をみる程度かと思いますが、税金調整は、その年度年度で、会計上と税務上の差異を調整しているだけなので、本質的には、その年度の発生し得る会計と税務の差異に関するイベントを検討し、それがもれなく適切に調整されているのか確認する以外、適切な監査の方法はなく、それには、地道なトレースが必要であって、つまるところ、税務を理解していないと適切に監査できないことになります。

 

ノーマルな留保額の増減の理由を聞かれるクライアントの気持ちを代弁すると、そんなことを聞くなら、全部、資料を確認してトレースしてくださいよ、といった感じだと思います。

 

税金費用関連については、安易に、増減理由を聞くと、信用を損ねる可能性があるので注意した方がいいと思います。

 

 

まとめ

 

私の監査法人の時のパートナーから言われたのは、やれるのであれば税務をやった方がいい、税務は監査においても重要だ、ということでした。

 

当時の私は、税理士登録して副業で税務をできる環境になかったので、できませんでしたが、今は、一般的に副業を認める時代になってきました。

 

監査法人も副業を認めるようになれば、税務をやった方がいいと私も思います。