金平先生の日記 会計士の独立編

会計士、税理士の独立情報

監査が面白くないからといって税務が面白いとはいえない可能性がある

 

 

 

税務も監査も会計、決算をベースにあるから業務内容は似てくる

 

私も、監査が面白くないと思ったことは、監査法人を辞めたいと思った一つの理由でしたが、結果的に、今も続けている税務が、その当時、面白そうと思ったから税務をしてみたいと思ってわけではありませんでした。

 

一般的な税理士事務所の税務と、監査法人の監査とで、大きな相違は、クライアントの規模だと思いますが、会計や決算をベースにしている時点で、業務内容が似ているのは当然であって、その点については、監査法人にいた頃から何となく想像はできていました。

 

 

税務は、監査よりも断然細かい

 

ご承知の通り、監査は、重要性があり、トップダウンで深堀して、重要な部分を中心に業務を進めていきます。

 

そのため、必要性の乏しい部分はパスされる点は、監査の楽の部分であり、監査の厳格化もあって、全てを文書化しなければならないという面倒な部分もあります。

 

監査が面白くない理由の一つは、個人的には、この文書化にあると思います。

 

税務においては、記帳代行をするのか、クライアントの記帳を確認するのか、という業務のやり方によっても業務内容は異なりますが、記帳代行をする場合には、そのクライアントのすべての会計処理を正確に行うことが求められます。

 

請求書や領収書、通帳の入出金等、金額を誤るわけにはいきません。

 

昨今では、複数税率が導入され、同じ証憑の中に、複数税率が含まれていれば、税率ごとに分けて処理をしなければなりません。

 

記帳を確認する場合も、複数税率の区分が正しいのかという見方も必要ですし、そもそも消費税が課税か非課税か課税対象外かという見方も必要になります。

 

税務は、明らかに、監査よりも、細かいですし、ボトムアップの積み上げ方式の仕事です。

 

 

監査も面白くないけれど税務の方がもっと面白くないと感じる人もいるかもしれない

 

私も税理士事務所に転職した当時、その事務所では、記帳代行も結構やっていたので、会計士、税理士の資格をもっている私にも、記帳代行のクライアントを担当させられれば、記帳代行をやらざるを得ませんでしたし、暇なときに、忙しい先輩がいれば、記帳代行をふられることもありました。

 

慣れてしまえば大した問題ではありませんが、その細かい業務内容に、最初は抵抗を感じたのは事実です。

 

私の場合、慣れてくれば、楽しさを覚えることができたので、よかったですし、今も普通に、記帳代行をやっていますが、記帳代行をすること自体、全く苦に思っていませんが、同じ会計士組の同業者に聞くと、記帳代行はすごく嫌いだから辛いとか、嫌いだからやらない、という人もいます。

 

 

税務が自分にあうかどうかを監査法人時代に確認するべき

 

期待して税務業界に転身したのに、監査業界の方がよかったと思うことは、非常に辛いことです。

 

そのようなギャップを生じさせないためにも、個人的には、無償でもいいので、可能であれば、先輩税理士の事務所において、税務業務を経験させてもらうことは、価値のあることだと思います。

 

むしろ、今では、実務を教えてもらうのだから、勉強代を負担してでも経験させてもらうことは、いいことだとすら思います。

 

そのような経験をするためにも、会計士として有能であるかよりも、人として大事なことがあると思います。

 

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