監査役なんてやりたくない
監査役の就任依頼
以前、ある知り合いの会社から監査役になってもらえないか、と就任の依頼がありました。
とりあえず、話を聞いてほしい、ということで、社長に昼食を誘われたので、話を伺いに会うことにしましたが、話をしてみれば、個人的には、非常に残念な依頼でした。
内容としては、確かに、監査役のポストが空いたので、就任してほしいが、ついでに、税務も見てほしい、という何とも都合のいいものでした。
しかも、報酬は、前任の非常勤監査役と同額で、前任者は、会計士や税理士といった専門職ではなく、会計、税務に知見のある方で、この社長は、どういう感覚なのか、疑いました。
まとめ
結局、この話は、報酬が責任とバランスしないという側面もありましたが、それ以上に、よく分からない会社の監査役なんてやりたくない、という理由で、断りました。
監査役になって、プラス税務顧問的に使われることを想定されていることには、正直、不愉快でしたが、それ以上、監査役というコスパの悪い立場には、私はなりたくありません。
会社法を学んだ会計士であれば、当然の思考ではないでしょうか。
監査役監査なんてやったこともなければ、会社のことをどこまで理解し、監査すればいいのか、わかりませんし、そんな監査役監査をまじめにやろうと思えば、非常勤の監査役の低い報酬で受けられるはずがありません。
社長は、何もないからと安易に考えられているかもしれませんが、従業員が数十人いて、株主も、多数いて、家族経営でもない中堅の会社の監査役となれば、万が一、何か起きたときのことを考えると、安易に引き受けられるものではありません。
なお、この件については、先日、偶々、監査役に、知らない税理士が就任していることを知りましたが、よく就任されたなと思います。
人それぞれなので、本人がよろしければ、それはそれでいいですが、私は、自分の時間や能力、リスク、責任を、安売りしたくはありません。
上場企業の監査役で、ガバナンスがしっかりしている会社であれば、検討の余地はありますが、それでも、他人の会社の役員就任には、慎重です。