金平先生の日記 会計士の独立編

会計士、税理士の独立情報

生産性の低い事務所も存在している

 

 

 

生産性の意味

生産性には、いくつもの理解があると思いますが、私が意味しているのは、業務上の生産性であり、業務の効率性、合理性のことを意味しています。

 

 

 

私が勤務した事務所のある先輩の業務

勤務していた当時、ある先輩の業務内容について、私の価値観では、全く理解できなかったことがありました。

ほぼ大半の税理士事務所は、帳簿作成において、その事務所が採用している会計ソフトを利用して業務を行います。

会計ソフトへの入力は、正に、パソコンで、仕訳を入力すること、を意味しますが、仕訳の基礎となる情報は、領収書等の基礎資料がベースになります。

素人でもなく、知識も経験もあって、また、試験勉強のためでもなく、実務として、また、業務として入力を行うのが、税理士事務所の仕事だと、私は思うので、生産性の低い方法で業務を行うべきではないと私は思っていましたし、今も、そう思っています。

私は、よほど複雑な仕訳を行う場合以外は、原始資料をみてそのまま仕訳を考えて、会計ソフトへ直接入力することが普通であり、合理的であり、生産的だと思うのですが、その先輩は、入力の前に、入力を予定している仕訳を、すべて紙の振替伝票で、仕訳として起こしていたのです。

私の価値観では、全く理解できなかったので、それをまねることはありませんでしたが、あるときに、そのことについて話題になった時に、なぜ、そんなことをしているのか、質問したところ、その返答は、

・昔は全部こうしていて、パソコンなんてなかった

・こうした方が、正確に入力できる

ということでした。

それを否定しない、つまり、認めていた、つまり、それもいいと思っていた経営者がいたので、そのようなことが行われていたのであって、それがいいと思われているのであれば、それを否定するつもりもありませんが、私には、信じられないことでした。

振替伝票を紙で起こしてから、入力すると正確に入力できる、というのは、私からすると、完全におかしな話です。

正確性を高めたいのであれば、入力結果の正確性を、入力結果と、原始資料との照合によって、何重にもチェックした方が、よほど効果的です。

 

 

まとめ

上記のようなやり方に関して、言いたいことはいくつかありますが、限定して最も言いたいことは、とにかく生産性が低く、クライアントファーストではないということです。

想像してみてください。

ソフトへ直接入力する場合と、振替伝票を記入してからソフトへ入力する場合と、それに費やされる時間は、相当な違いが生じます。

クライアントは、できれば、早く試算表が欲しいと思っているでしょうから、クライアントの気持ちを理解していないとも考えられます。

クライアントの数も数件しかなくて、そんなに時間を気にすることはないのであれば、まだいいとしても、相当数のクライアントを抱えていて、時期的に業務が重なり、どのクライアントに対しても同じようなことをしていては、後回しにされたクライアントの処理が終わり、試算表として納品までに、どれだけ時間を要するのか、考えたこともないのでしょうか。

このような事務所は多くはないとは思いますが、当時は、まだ存在していましたし、最近でも私の事務所への変更案件においても、稀に、手書きの振替伝票が出てくることが、未だにありますので、今も、皆無ではないということです。

私の価値観では考えられないですが、いかがでしょうか。