今、独立できるのは羨ましい
独立当初の状況
私が独立した当初の状況は、今考えれば、悲惨でした。
監査法人から転職した税理士事務所で担当していたクライアントの何件かが、独立後に、私の事務所に依頼すると約束してくれていたわけでもなく、個人的な人脈が広く、見込み客が、想定できたわけでもなく、税理士事務所として独立しても、収入は、全く見込めない状況でした。
今思うと、そんな状況で、よく独立しようと思ったよな、とぞっとしますが、結果的に、生き残れて本当に良かったです。
昨今、会計士の独立のリスクは低い
私が独立した当初を比べて、会計士の独立のリスクが極めて低いと思う理由は、簡単です。
条件を求めなければ、監査法人において、非常勤の監査業務を行える環境にあることです。
私が独立した当時は、アベノミクス前後くらいで、監査法人の非常勤監査の需要は、あまりありませんでした。
監査をしたくなくて、監査法人を辞めたのに、監査法人で、非常勤で監査をする、というのは、矛盾がありますが、そこは大人ですから、生活のために我慢して、利用してくれる監査法人があれば、月数日でもいいので、非常勤として使ってもらいましょう。
税務が忙しくなって、日数を減らす、あるいは、完全に非常勤も辞める、という選択については、監査法人のパートナーも、非常勤だから仕方がないと、容易に受け入れてくれる場合が多いです。
一番、非常勤の監査をやりたかった独立当時に、それができなかった私でしたが、独立から数年後に、知人会計士の紹介から、人が足りないからお願いされて、数年間、2つの監査法人で、非常勤の監査業務を私も経験しましたが、自らの税務業務が忙しくなったために、減らしたい、辞めたい、という私の要望は、すんなりと受け入れてもらえました。
こんな状況で、監査法人の状況も、変化している、あるいは、今後、変化する可能性もありますが、私が独立した当時と比べれば、監査法人の非常勤の監査のニーズが高いことは、私からすれば、本当に、羨ましいです。
私の独立当時も、そのような環境にあったのであれば、私は、実際よりも深く悩まずに、独立したと思います。